帯状疱疹
顔面や頭皮、背中、脇腹、太ももに、ピリピリと刺すような痛み、赤い斑点(はんてん) と帯状に小さな水ぶくれがあらわれる病気です。 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は、子どもの頃に水ぼうそうにかかった際に体内に残り、長年潜伏し続けています。免疫力が低下すると、このウイルスが再活性化し、皮膚に痛み を伴う発疹として現れます。
水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。 80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になると言われ、また50歳以上で帯状疱疹を発症 した人の18%は、皮膚症状が治癒した後も痛みが続く帯状疱疹後神経痛になると言われ ています。目や耳の神経が、障害されるとめまいや耳鳴り、重症化すると視力低下や顔面 神経麻痺などの後遺症が残ることもあります。
帯状疱疹の予防のための
新ワクチン(シングリックス)
シングリックスによる帯状疱疹に対する予防効果は、50歳以上では97.2%、 70歳以上 では89.8%、また帯状疱疹後神経痛に対する予防効果も 88.8%と報告されています。 また、シングリックスの発症予防効果が9年以上持続します。
シングリックスの副反応
- 注射部位の痛み、腫れ、赤み(多くの場合、数日以内に改善します)
- 全身反応:発熱、倦怠感、筋肉痛、頭痛など(通常1〜3日以内に解消します)
副反応は、ワクチンが強い免疫応答を誘導している証拠です。 重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)が、発生する可能性もゼロではないため、 接種後の経過観察が重要です。
注射した部位 | 痛み [79%] |
赤み [37%] |
腫れ [24%] |
注射部位以外 | 筋肉痛 [37%] |
疲労 [35%] |
頭痛 [28%] |
悪寒 [21%] |
発熱 [17%] |
胃腸症状 [12%] |
シングリックスの接種対象者
- 50歳以上の方
- 帯状疱疹にかかるリスクが高いと考えられる18歳以上の方
- 明らかな発熱(通常37.5℃以上)がある方
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな方
- 上記に掲げる方のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある方
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患がある方
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを
疑う症状を呈したことが
ある方 - 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある方
- 過去に痙攣したことがある方
- 過去に免疫不全の診断が受けた方および近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- 血小板減少症・る者、抗凝固療法を施行している方
ワクチン接種回数と接種方法
シングリックスの接種回数
2階の接種で帯状疱疹に対する予防効果が得られます。

シングリックスの接種方法
シングリックスは2回の筋肉注射が必要です。
・50歳以上の方
通常1回の接種から2ヵ月の間隔をおいて2回目の接種を行う※1

※1 例:1回目の接種が10月10日の場合、12月10日から2回目の接種が可能
・帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方注)
通常1回の接種から1~2ヵ月の間隔※2をおいて2回目の接種を行う

※2 標準として、1回目の接種から2ヵ月の間隔をおいて2回目の接種を行う 注)・疾病または治療により免疫不全である方、免疫機能が低下した方 または免疫機能が低下する可能性がある方 ・上記以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた方
ワクチン接種費用
シングリックス 1回 22,000円(税込)
*シングリックスは2回接種*2025年度より帯状疱疹ワクチンは国の定期接種になりました。
また一部帯状疱疹ワクチンの助成が受けられる地区・自治体があります。
お住まいの自治体に確認してみるとよいでしょう。
帯状疱疹ワクチンの助成(参考:大阪市)
シングリックス接種後の注意
接種を受け後は30分ほど安静にしましょう。
しばらくの間接種した病院に残り、体調に変わりが無いことを確認してから帰宅しましょう。

接種当日は激しい運動を避け、注射部位を清潔に保ってください。
接種当日の入浴はさしつかえありません。

副反応について知っておきましょう。
接種後に発熱や注射部位の腫れなどがみられることがありま す。また、まれに重度のアレルギー反応など、体調の変化を感じた場合は、接種した医療機関の医師にご相談ください。

シングリックスの接種により健康被害が発生した場合には「医薬品副作用被害救済制度」により治療費等が支給される場合があります。
詳しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ等をご覧ください。